3月27日、「第36回松尾芸能賞」授賞式が帝国ホテル東京にて行われ、西南学院
舞鶴幼稚園、西南学院高等学校卒業生（98年卒）で俳優として活躍中の井上芳雄氏が
「第36回松尾芸能賞優秀賞(演劇部門)」を受賞しました。


※　授賞式の様子。後列、中央が井上芳雄氏。前列左手が室井滋さん、中央右側の
　男性が大賞の五木ひろし氏。


※　後列、中央が井上氏。左側が翻訳家の戸田奈津子氏、右側が歌舞伎役者の
　中村七之助氏。

　松尾芸能賞とは、財団法人松尾芸能振興財団が日本の伝統ある劇場芸能を助成し、
振興し、もって我が国独自の文化、芸能の保存及び向上に寄与することを目的とし、
劇場芸能出演者、助演者並びに研究者や、演出、舞台・用具等所要施設関係技能者、
音楽関係技能者、劇場芸能の公開、海外出演その他諸企業などに与えられるもので、
昭和54年に創設された芸能賞です。受賞式には、大賞を受賞した五木ひろし氏をはじめ、
井上芳雄氏と同じく優秀賞を受賞した女優の室井 滋 氏、新人賞の中村七之助氏、
映画部門から特別賞の戸田奈津子氏らが、出席しました。

　井上芳雄氏は、西南学院舞鶴幼稚園の卒園生であり、西南学院高等学校を98年に
卒業しています。お父様は、西南学院舞鶴幼稚園長で本学人間科学部心理学科教授
の井上哲雄先生です。曽祖父から４代にわたり西南学院に縁があるという井上芳雄氏に、
お話をお伺いしました。

広報課（以下、広報）　「受賞おめでとうございます。今のお気持ちは？」
井上芳雄氏（以下、井上）　「受賞の知らせを聞いた時、驚きと喜びでいっぱいでした。
　この喜びを今日、この会場に来て、改めて実感しています」

広報　「松尾芸能賞は昭和54年から続く伝統ある賞です。今回の受賞についてご自身
 ではどのように捉えていますか？」
井上　「私が活動するミュージカルは西洋文化圏で発展したものです。松尾芸能賞が
　振興する日本の伝統芸能には、多くの学ぶべきものがあります。今回の受賞を期に、
　30代半ばを迎えた今、ジャンルや専門にこだわらず、学びを深め、様々なことに
　チャレンジしていきたいと思っています」

　受賞の喜びのほか、井上氏に2016年に100周年を迎える西南学院について、
最後に、在学生へのメッセージを伺いました。

井上　「西南学院は100年も続いている。宝塚も100年を迎えましたが、一つの分野を
　極め、確立していくことは、本当にすごいことです。西南学院はゆるぎない存在であり、
　誇りに思います。来年100周年を迎えるにあたり、さらに新しいことにもチャレンジされ
　ていくと思います。母校の今後が、本当に楽しみです」

広報　「最後に西南学院へ通う後輩へメッセージをお願いします」
井上　「福岡で過ごしていた時に、僕は俳優になりたいと思っていました。高校卒業後に
　東京へ出たものの、しばらくはやっていく自信がなかったんです。でも今、こうやって
　自分が舞台に立っているのは、西南学院に通いながらレッスンに励んだあの日々が
　基本です。人生は想像以上に素晴らしいことが待っています。西南に通うみなさんも、
　将来につながる今を感じて、頑張ってほしいです」

　井上芳雄氏が歌を好きになったきかっけは、西南学院舞鶴幼稚園や鳥飼バプテスト
教会の聖歌隊で賛美歌を歌ったこと、と耳にしました。井上芳雄氏は、西南学院が
好きで、愛してくれています。母校について語る井上氏から、ひしひしと感じました。

　このたびの受賞、本当におめでとうございます。
　みなさんも、今後益々の活躍が期待される井上芳雄氏の応援、よろしくお願いいた
します。

※　写真右は、受賞式に列席した井上芳雄氏の父、井上哲雄西南学院舞鶴幼稚園長・
　人間科学部心理学科教授。
 

【井上芳雄氏プロフィール】
1979(昭和54)年に福岡出身。西南学院舞鶴幼稚園、西南学院高等学校卒。小学生の頃、
家族で観劇した劇団四季「CATS」に影響を受け、ミュージカル俳優になることを決意する。
父親の在外研究でアメリカ・ノースカロライナ州に家族で１年滞在、その間ブロードウェイで
本場のミュージカルを鑑賞し、その後東京藝術大学音楽声楽科へ入学。2000(平成12)年
6月、同大学特別講師として教鞭をとっていた小池修一郎氏の目に留まり、ミュージカル
「エリザベート」皇太子ルドルフ役で鮮烈なデビューを果たす。2013(平成25)年11月、
StarSとしてミュージカル俳優の単独コンサートとしては史上初の日本武道館コンサートを
成功させる。
　
■　参考情報：公益財団法人 松尾芸能振興財団ＨＰ
　http://matsuo.or.jp/award.html