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2026.02.20

【法学部】令和7年度九州ブロック再犯防止シンポジウムを開催しました

 2月17日(火)、大学チャペルにて「令和7年度 九州ブロック再犯防止シンポジウム」を開催しました。本シンポジウムは、法務省主催のもと「民間協力者による社会課題解決としての再犯防止の取組」をテーマに実施されたもので、民間事業者との連携を通して再犯防止への理解を深め、地域社会全体で支える更生支援のあり方を考えることを目的としています。
 基調講演では、一般社団法人ヒューマンハーバーそんとく塾 塾長の原田公裕氏をお迎えし、民間による再犯防止の取り組みについて講演いただきました。原田氏は、罪と向き合い更生していくためには「更生を信じる力」が不可欠であると述べ、「心のスポンジづくり」という言葉で、想像する力を育む教育支援の重要性を強調しました。また、生きづらさを抱えた人たちが、再スタートを切るための独自の教育プログラムを通して、自ら気づき考え、行動を振り返る機会を提供していることが紹介され、生きづらさを「生きやすさ」へ変えるきっかけを自らの力で見出してほしいと語られました。
 続いて、第二部では、福岡刑務所の職員および立ち直りの当事者およびその支援者が登壇しました。刑務所での生活や更生に至るまでの歩み、そして支援者の立場から見た当事者の真摯な働きぶりについて、率直に語られました。また、当事者に対して、再犯防止において何が大切か問われた際には「愛された経験、そして人を愛した経験」が重要であると述べられ、会場に深い印象を残しました。
 また、法学部・福永俊輔教授およびゼミ生によるトークセッションでは、普段のゼミ活動の中で調査・検討を行い議論をしてきたこと、そして実際に福岡刑務所を訪問した際(*)の印象や更生支援への考えをもとに、2025年6月1日から施行された「拘禁刑」について意見を交わしました。ゼミ生は、拘禁刑は受刑者の社会復帰を目的とするものであり、個々に応じた支援の充実や出所後を見据えた取り組みが重要であると指摘しました。また、更生には社会の受け入れ体制の整備が不可欠であり、再犯防止に向けて社会全体の意識変容が求められるとの考えを示しました。
(*「きょうせいだより」https://www.moj.go.jp/content/001453342.pdf)
 最後に、奈良県庁職員による奈良県の更生支援の取り組みについて、県の条例に基づき設立された全国初の取り組みである一般財団法人かがやきホームの取り組みを中心に紹介がありました。財団では、全ての困っている人を家族の一員として受け入れ、一人ひとりが輝ける家という思いのもと、就労の場の提供、住まいの確保、社会的教育の実施を事業の3つの柱として掲げ、刑務所出所者等に寄り添いながら、「あせらず、あきらめず、くさらず」をモットーに社会復帰を支援する取り組みを推進していることが語られました。
 質疑応答では、出所者に対する民間住居の手配事例や、薬物依存に苦しむ家族に向けて送るアドバイスなど活発な質問が寄せられ、登壇者との意見交換が行われました。
 本シンポジウムを通じ、再犯防止という社会課題について、学生と地域が共に学び、考える機会となりました。今後も地域社会と連携しながら、社会課題の解決に寄与する教育・研究活動を推進してまいります。