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2017.09.04

第157回 芥川龍之介賞で本学卒業生、沼田真佑氏が芥川賞を受賞しました

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 8月25日(金)、帝国ホテル(東京都千代田区)において第157回芥川龍之介賞・直木三十五賞の授賞式が行われ、本学卒業の沼田真佑氏が芥川龍之介賞の表彰を受けました。授賞会場は、約1,000人の招待客と報道陣で熱気にあふれていました。授賞式では、選考委員を代表して山田詠美氏が芥川賞受賞作品の「影裏(えいり)」について、「ある人間に出会った時に、それ以前とそれ以降ではっきりと人生が変わるという瞬間を経験した人は少なくはないと思うが、今回の沼田氏の小説は、その境目のところでこぼれてくる言葉を拾いあげた、という感じがして、そこにすごく暗い影と明るい光が落ちてくるような、そんな感じの小説であった。私は選評で、ポンって置かれたエピソードを、キラキラした接着剤のような言葉が繋げている、と書いたと思うが、そのキラキラした接着剤というのは、文書修行をしても、トレーニングを積んでも得られないものであって、ギフトだと思うので、大事にしてほしい。それから、記者会見で沼田氏が『今回のことはジーンズをたった一本しか持ってないのにベストジーニスト賞になった、そんな気がする』とコメントされていたが、体に合わないダサいジーンズを何本持っていてもベストジーニスト賞というのは貰えないもので、たった一本の自分に似合う、これからどうやって着こなしていこうかという夢があるそういうジーンズを持っていれば、この先やっていけるんじゃないかと思う。芥川賞授賞ということを元手に、どんどん新しい自分なりのジーンズを買ってもらいたい」と挨拶、激励しました。
 一方、沼田真佑氏は授賞の挨拶で「作家と言われてもまだデビューして4か月足らずの若輩者だが、今回、一つだけ方針を立てた。それは、質素に暮らすということ。今日は授賞式という華やかな場だが、明日からは再び質素な暮らしに戻る」と大変控えめに喜びを語りました。