ニュースリリース
▼2015.03.05
【創立100周年記念事業】学術シンポジウム「北欧の子育て事情から学ぶ~子どもの育ちを支える地域社会の在り方~」を開催しました 西南学院創立100周年、西南学院大学人間科学部創設10周年を記念し、
2月24日に西南学院大学チャペルにて、学術シンポジウムを開催しました。
今回は、「北欧の子育て事情から学ぶ~子どもの育ちを支える地域社会の
在り方~」をテーマに掲げ、フィンランド、アイスランドの大学より
キルスティ・カリラ氏(フィンランド・タンペレ大学教育学部副学部長)、
ヨハンナ・アイナドッティ氏(アイスランド大学教育学部学部長)をお招きし、
講演会および本学の学生や研究者、一般の方を交えたシンポジウムを開催しました。
アイスランドでは、「就学前に全日の保育を受けることは、家庭収入や保護者の
就労にかかわらず、全ての子ども達が有する権利であり、保護者が子どもに
保育を受けさせたいと望めば、自治体には保育を提供する義務」があること、
また、フィンランドでは、「子どもや保護者を取り巻く専門家集団
(保育・教育・福祉・心理・医療など)同士の協働が重要」など、両氏より
両国の幼児教育の制度や保育政策の事情などに関する発題がなされました。
その後、パネリストより「『遊び』を通じて社会性を培うとは?」「北欧での
『遊び』の定義とは?」「日本の教員養成課程に必要なカリキュラムとは?」など、
活発に質問が投げかけられました。
両氏からは、「家庭の保育への参加、つまり保育パートナーシップが肝要であり、
親(家庭)が一番の教育者であるという文化が北欧には定着している」「『遊び』が
重要であり、子ども達は遊びや集団で活動することを通じて、他者の人権を重んじ、
問題を平和裏に解決する術を学び、社会性を培うのである。」という示唆に富んだ
コメントが述べられました。
子どもを預けるという発想から、子どもの社会性を培うために保育を受けさせる、
といった子ども達を主体、主語とした発想への転換が必要なのでしょうか。
「日本の社会は真に人が育つ社会なのか、を改めて考える契機となった。」
という田代人間科学部長の言葉でシンポジウムを閉じました。
講演中のキルスティ・カリラ氏 (通訳:鈴木 正敏氏)
講演中のヨハンナ・アイナドッティ氏 (通訳:鈴木 正敏氏)
パネルディスカッションの様子