ニュースリリース
▼2015.05.08
【創立100周年記念事業】学術フォーラム「“ともいき”の力で、学ぶ喜び、生きる喜びを!!」を開催しました西南学院創立100周年記念事業の一環として、2015年4月25日(土)
西南学院大学チャペルにて、学術フォーラムを開催しました。
今回は、「“ともいき”の力で、学ぶ喜び、生きる喜びを!!~いのち輝く
100年のなつかしい未来へ~」をテーマに掲げ、NPO法人デイサービス
「このゆびとーまれ」理事長の惣万佳代子氏、福岡市副市長の荒瀬泰子氏、
西九州大学健康福祉学部学部長の倉田泰路氏をお招きし、基調講演および
パネルディスカッションを開催しました。
基調講演では、「あったか地域の笑顔の大家族~富山型デイサービスの
21年~」と題して、日常生活のほほ笑ましい様子を交えながら、
まず一人ひとりの生活ニーズを受け止めて対応することが重要であり、
法律・制度やお金はその後から付いてくるものであること。
「明日の100人を救うより、今日の1人を救う」という精神を持って
日々取り組んでいらっしゃること。「官僚よりも縦割り行政のシステム」、
「立派なハコものよりも優秀な職員」へ行政も市民も意識改革をすることが
大切であることなど、貴重なお話をいただきました。
誰もが自由に自分らしく地域の中で暮らしていきたい。認知症の方も
もちろん、そう願われています。誰も“排除しない”というこのゆびとーまれ
の理念のもと、町内で暮らしている人達と一緒に考えたり、悩んだり、
笑ったりしながら、認知症という疾病を抱えた人が、いつまでも住み慣れた
街で暮らし続けられるようなまちづくりの拠点であり続けることこそが
このゆびとーまれの使命の一つであること。そしてコミュニティ・ケアは
永遠のテーマであることなど、力強く語っていただきました。
講演中の惣万佳代子氏
基調講演を受けて西南学院大学人間科学部教授の賀戸がコーディネーター
となって、パネルディスカッションを行いました。“ともいき”の力の大切さを
それぞれの立場から語っていただきました。私たちの日常生活の場において
老若男女が、保育・教育の場において赤ん坊から大学生が必ずしも
“ともいき”の力が満ち溢れて、喜び、輝いている状況ではありません。
差別・偏見やいじめ・とじこもり、自死なども少なからず存在しています。
人間は他の動植物よりも偉い存在ではなく、「動植物の一員」という視点から、
文明・文化・自然環境問題を考えていくことが必要です。
“ともいき”の力は、自然に生まれてくるものではありません。
21世紀の公教育、私学教育共に遊びやゆとりを大切にした教育を
実践することにより、本当の幸福とは?、真の豊かさとは?を画一的に
教えるのではなく、考えさせる教育が求められています。
なつかしい100年の未来に向かう西南学院は“ともいき”の力を育み、実践
する知と地の拠点として行政や市民と共に「福岡市に住んで良かった」と言え
るまちづくりに貢献して欲しいと、強いエールを送られ、対話の時間を閉じま
した。
パネルディスカッションの様子