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2024.03.08

「写真と『重みをもつ』言葉が語る世界の紛争:イスラエル/パレスチナ」と題した講演会を実施しました

 3月2日(土)、3号館403教室にて、2023年度学部横断プログラムの一貫として「写真と『重みをもつ』言葉が語る世界の紛争:イスラエル/パレスチナ」と題した講演会を実施しました。本講演会では、実際に自分の目で見て、聴いて、歩いて、感じた世界の紛争について、講師それぞれの視点から「重みをもつ言葉」で語られました。
 フォトジャーナリストの横田徹氏は、自身の報道カメラマンとしての歩みを世界の紛争の歴史に重ねて講話し、現場での痛みや苦しみを映像を通して伝えることがフォトジャーナリストとしての使命であることを語りました。
 本学法学部国際関係法学科の根岸陽太准教授は、イスラエル・ハマス間の武力紛争について、特に国際司法裁判所での南アフリカ対イスラエルの裁判に関して国際法の視点から解説しました。解説の中では、武力紛争で起こる戦争犯罪だけに着目されがちであるが、国際法の文脈の中で一連の動きを捉え直すことが重要であり、南アフリカが国際司法裁判所に訴えたジェノサイドの防止といった他の規範を用いると、武力紛争が発生する以前からの一連の事象が我々市民でも解像度高く説明できるようになる。国際法には確かに限界があるが同時に可能性もあり、我々市民や企業も国際法に関わり活用できることを解説しました。
 日本・イスラエル・パレスチナ学生会議(JIPSC)に所属する一橋大学大学院の高橋篤史さんと国際基督教大学の武智志保さんは、イスラエルとパレスチナのこれまでの歴史と現状を踏まえたうえで、2023年に参加したイスラエルとパレスチナへのスタディーツアーについて、写真を交えながら報告。紛争下にある現在においても、イスラエル人とパレスチナ人が一緒にオリーブの植樹活動を行うなど、紛争下においても草の根レベルでの繋がりがあることを語ってくれました。
 参加者からは、今の私たちにできることは何かといった質問が出され、講演の中で語られた「重みをもつ言葉」から、あらためて世界の紛争について関心を持ち、今の自分にできることは何かを考える貴重な機会となりました。