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2019.01.29

古賀衞教授(法学部)の最終講義を行いました

 1月21日(月)、4号館302教室にて、本年3月で退職を迎える法学部国際関係法学科の古賀衞教授の最終講義を行い、ゼミ生や大学院の学生をはじめ、教職員や卒業生など約150人が出席しました。


 古賀衞教授は国際法学が専門で、深海海底制度における立法過程、公海制度の変容、海洋法などについて研究されました。また、法学部長、教務部長、図書館長を歴任され、法学部の西南カップの開催や図書館チューター制度の導入などに努められました。
 「ミサイルの向こうに」と題された最終講義では、「国際法Ⅱ」のまとめとしてNHKのドキュメント番組「福岡大空襲」を上映しました。上映後、古賀教授は1991年に起こった湾岸戦争、2001年に起こった9.11とアフガン紛争に触れ、「国際法には、正しい戦争と正しくない戦争を区別するという考えがある。これは国際法の父といわれるグロティウスが著書の中で述べた考えで、不正なものについては制裁を加えるというものである」と説明しました。その上で、「私は、正当ならば武力行使を許す国際法の考え方に疑問を感じる。戦争の正当性を論じる時も、ミサイルの向こうにいる犠牲者を忘れてはならない。そして、日本はかつてミサイルの向こうに居た(=爆弾の下に居た)国として、犠牲者の視点からの国際法を考えるべきである」と説きました。

 その後、古賀教授は、これまでの人生のターニングポイントとして、大きな怪我によって車椅子生活を覚悟した中学時代や、人生で一番勉強したという大学院入試の時代、そしてニューヨークでの国連海洋法会議に参加したことについてユーモアを交えて振り返りました。
 最後に、西南学院での教員生活の思い出として、国際関係法学科の立ち上げに尽力したことを挙げ、「西南学院の国際関係法学科は、国際法の西の拠点を作るという気持ちで構想した。今後もますます発展していくことを願いたい」とメッセージを送りました。また、卒業式にゼミ生に贈る言葉として「人の生を受くるは難く やがて死すべきものの いま生命あるはありがたきかな」を紹介し、「どうしようもない苦しい時に、是非この言葉を思い出してほしい」と述べました。
 講義終了後、ゼミ生、教職員、卒業生から花束贈呈が行われ、聴講した学生・教職員、卒業生から大きな拍手が贈られました。