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2025.10.17
10/10(金)読書教養講座でドラマプロデューサーの佐野亜裕美さんが講演
10月10日(金)、ドラマプロデューサーとしてご活躍されている佐野亜裕美さんを講師に迎え、「ドラマの言葉、言葉のドラマ」をテーマに読書教養講座を開催しました。会場となった西南コミュニティーセンターには、約180人の教職員や学生、一般の聴講者が来場しました。
佐野さんは2006年にTBSに入社。2011年「20年後の君へ」でプロデューサーデビュー。2020年に関西テレビに移籍、「第59回ギャラクシー賞」テレビ部門優秀賞の「大豆田とわ子と三人の元夫」のほか、「エルピスー希望、あるいは災いー」をプロデュース。2023年に芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞されています。
佐野さんは講演の中で、ディレクターとプロデューサーの違いについて、レストランに例えるとディレクターはスーシェフで食材を使って料理を作る現場のボス的な役回り、プロデューサーはオーナーでレストランはどんな立地でどんなジャンルの料理を提供するのかといった全体の計画や企画を作る役回りであると語りました。また、ドラマプロデューサーとして大事にしていることは、制作現場での役者やスタッフの動き、様子をしっかり見て、その日に難しいシーンを演じたり長いセリフをやりきったりなど、がんばった方にはきちんと言葉をかけたりお礼を伝えることだと語りました。
本学法学部の田村元彦准教授および学生とのトークセッションでは、こうの史代氏の漫画を原作としたドラマ作品「この世界の片隅に」を視聴した学生は、「主人公のセリフと場面で原作とはあえて異なる描き方にした意図や狙いがあったのか」と質問。それに対し佐野さんは、「漫画の尺の中であれば表現できても、ドラマの中では、同じシーンであってもそれまでの背景やこれまで役者が演じ視聴者に与えてきた人物像を考えると、役者が同じようにセリフを言うことはできないと判断した。これについては、作り手の視点や感じていること、捉えていることなどを含め、言葉の細部に至る部分まで脚本家や監督とも何度も話し合い、議論を重ね、悩みながらこのシーンを制作した」と語りました。終始、和やかな雰囲気の中で活発に話が交わされ、登壇した学生、会場の聴講者は佐野さんの話に聴き入っていました。