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2025.12.08

【商学部】「貿易論」においてイオン九州株式会社による特別講演を開催

 12月4日(木)、商学部「貿易論(担当:藤川昇悟教授)」の授業において、イオン九州株式会社食品商品部より、正木伴征氏をお招きし、「商品開発から生まれる価値創造-グローバル調達編-」と題した特別講演が行われ、約200名の学生が出席しました。
 講演では、冒頭で正木氏のこれまでのキャリアとその経験がイオンでの商品調達・開発にどのように生かされてきたかを紹介。アジア地域でナンバーワンの仕入れ条件を構築するため、単なる商品選定に留まらず、売場まで責任を持ち、消費者の代弁者としての役割を担ってきたと述べられました。また、外資系企業で培った知見がイオンでの商品開発に生かされた例として、ソルト&ペッパー味の「クリスマスローストチキン」の開発プロセスが示され、市場調査から仕入れ先の選定、生産工程の見直し、物流ルートの最適化まで、品質と価格競争力の両立を実現できたと語られました。
 さらに、中国からの直輸入による畜肉惣菜開発の事例について触れ、サプライチェーン構築には取引先との信頼関係が必須であると強調されました。また、直輸入を実現した「焼き鳥串」やイオン九州デリカ開発部での「推し活惣菜」開発のプロセスについても紹介。商品開発は、現場に足を運んで情報を収集する姿勢が重要と語られたほか、背景にある世界情勢の影響を踏まえた市場分析や原価最適化の取り組みについても説明されました。 
 講演後には質疑応答が行われ、参加者からさまざまな質問が寄せられました。「食のニーズの変化への対応」については、「近年の物価高を背景にディスカウント志向が高まり、より価格を重視する傾向にある」と答えられました。また、「どのような商品に目をつけたらよいか」という質問に対しては、「顧客のニーズを的確に捉え、トレンドを見極めることが重要」と述べられました。
 最後に、正木氏から学生に向けて「これから社会に出て活躍される皆さんには、さまざまな経験を積み、自分のブランド価値を高めてほしい。また、仕事は協力によって成り立つものだからこそ、人とのつながりを大切にしてほしい」とメッセージが送られました。
 学生たちにとって、身近な商品の背景にある開発秘話や調達戦略、品質管理といった専門的なプロセスを学ぶだけでなく、それによる価値の創造や海外調達への理解を深める貴重な機会となりました。