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2019.01.21
野口幸弘教授(人間科学部)の最終講義を行いました
1月16日(水)、1号館613教室にて、本年3月で退職を迎える人間科学部社会福祉学科の野口幸弘教授の最終講義を行い、ゼミ生や人間科学部の学生をはじめ、教職員や卒業生など約90人が出席しました。
野口幸弘教授は、障害児者の生涯支援、地域福祉の実践、発達障害の治療教育などが専門で、学外においては、福岡市障がい者等地域生活支援協議会の会長として障がい者の生活支援に務め、福岡市「障がい者地域生活・行動支援センターか~む」の開設、運営に尽力されました。
「知的障がい福祉の現状と課題への指針~地域福祉との関連~」と題した最終講義では、野口教授がこれまでに研究し、生涯を掛けて取り組んできた障がい者の生活支援、特に、強度行動障害者の生活支援について、研究成果や実践をもとに説明しました。強度行動障害とは、自分の体をたたいたり危険につながる飛び出し、他人に対する暴力行為、時には大泣きが何時間も続くなど、周囲や家族の暮らしに影響を及ぼす行動が高い頻度で発生する状態で、特別な支援と配慮が必要です。野口教授は「強度行動障害は、これまでに接してきた様々な人との関わりで発生した、いわば人的災害ともいえる」とし、一人ひとりにあった手厚い支援が必要と言います。そのため、野口教授は一つの家族と出会い、チームを組んで支援にあたった経験などに触れ、「現場で、その人の幸せに真剣に向き合えるか。突然、暴力を振るってしまう者に、本当に必要としている支援はなにか。理屈ではない。実践こそ全てである。足りないものを探し、本当に必要な支援を作っていくことが、ソーシャル・ワーカーの真の姿ではないか」と説きました。
最後に、野口教授は、前職や本学赴任以降これまでの人との出会いに感謝の意を表し、「多くの人との出会いと支援により、福岡市に強度行動障害者の支援センターを開設するなど、一人ではできない仕事を成しえることが出来た。私の考えを知り、学んだ学生、卒業生、同士がいることが嬉しい。いつでも皆さんの相談に乗ります」と述べ、最終講義を締めくくりました。
講義終了後、ゼミ生、卒業生から花束贈呈が行われ、聴講した学生・教職員、卒業生から大きな拍手が贈られました。
*ゼミ生と一緒に。