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2020.01.28
松永裕二教授(人間科学部・教職教育センター)の最終講義を行いました
1月20日(月)、1号館301教室にて、本年3月で定年退職を迎える人間科学部児童教育学科兼教職教育センターの松永裕二教授の最終講義が「教育の理念と歴史(2)」の最終回授業として行われ、ゼミ生、ゼミ卒業生や人間科学部の学生をはじめ、教職員など約45名が出席しました。
松永裕二教授は比較教育学が御専門で、ロシアにおける高等教育改革、教育改革の日・口比較などをテーマに研究を行ってきました。また、入試センター長、人間科学部長、教務部長などを歴任されました。
「教育基本法改正(2006年12月)の真のねらいは何だったのか」と題された最終講義では、明治以降、わが国の教育の理念や目的がどのように変遷し、これからどのような方向に向かおうとしているのか、について熱弁されました。
松永教授は、まず、1872年発布の学制、1890年発布の教育勅語、1947年施行の旧教育基本法で掲げられた教育の目的を振り返り、時代によって個人を重視した教育と、国家や社会を重視した教育が交互に繰り返されていることを紹介しました。また、特に国家や社会を重視した例として、教育勅語の全文を紹介し、高橋源一郎氏や山中恒氏の現代語訳を基に内容を読み解きました。
次に、現行の教育基本法について、それを旧教育基本法と比較しながら、教育の理念や目的が旧教育基本法とではどのように変わったのかを確認しました。旧教育基本法には愛国心を培う要素が含まれていないので不十分だということで、2006年当時の安倍政権は、日本国憲法改正の前段階として教育基本法の改正を行った結果、個から国家や社会を重視した教育に再び移っていると指摘しました。
最後に、これらの流れを振り返りながら、「これから日本の教育はどうなっていくのか。学生の皆さんは、どのような教育を目指すべきか、それぞれしっかり考えてほしい」とメッセージを送りました。
講義終了後、学生から花束贈呈が行われ、聴講した学生・教職員、卒業生から大きな拍手が送られました。