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2025.05.30

【法学部】ポーランドのウクライナ難民支援についての講義が行われました

5月29日(木)、法学部の国際人権法の授業において、ポーランドにある「バプテスト・チャリティー・アクション(BCA Poland)」から、ヨナシュ・スクシプコフスキさんと、エウニカ・スクシプコフスキさんをお招きし、ウクライナ難民支援の取り組みについてお話を伺いました。

BCA Polandは、ウクライナとの国境に近い町ヘウムにあるバプテスト教会を母体として活動しています。ロシアによるウクライナ侵攻が始まった直後から、政府の支援が始まる前にいち早く支援活動を開始し、これまでに5,000人以上の難民を受け入れてきました。

講演の中でヨナシュさんは、「国境付近で立ち止まっている人々を“隣人”として受け入れるには多くの困難があったが、信仰に支えられ、粘り強く活動を続けることで、世界中から支援の輪が広がった」と語りました。また、戦争が長期化する中でポーランド国内でも難民支援への関心が薄れつつあり、今後は受け入れた人々がポーランド社会に溶け込んでいけるよう支えることが大きな課題だと話しました。

学生たちからは、「なぜポーランドでは難民支援への支持が下がってきているのか?」や「日本ではウクライナから来た人々を『難民』ではなく『避難民』と呼んでいるが、ポーランドやEUではどういう扱いになっているのか?」といった質問があり、それぞれに丁寧な回答がありました。

受講した学生の一人は、「ポーランドについて今まであまり知る機会が無かったが、過去500年の間にロシアとは何度も戦争があり、第二次世界大戦中の日本のように、街がほとんど破壊された経験を持つ国であることを知った。そのような歴史を持つ国だからこそ、隣国であるウクライナを助ける気持ちは強いのだと感じた」と感想を述べていました。

今回の講義では、実際に現場で支援に携わっている方々の声に触れたうえで、ウクライナ難民保護に関する欧州連合(EU)法・欧州司法裁判所判例を学びました。実務と理論を橋渡しすることで、机上の空論にとどまらない学びと気づきを得る機会となりました。

BCA Polandの活動については、下記の動画をご覧ください。
Baptist Charity Action in Poland, Report of 2022, Japanese ver.