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2025.06.27
【商学部】「グローバル・ビジネス事情」においてトライアルグループ・株式会社魚寅による特別講演を開催しました
6月26日(木)、商学部「グローバル・ビジネス事情(担当:藤川 昇悟教授)」の授業において、トライアルグループ・株式会社魚寅より、村上 詢氏をお招きし、「グローバルバイヤーという働き方」と題した特別講演が行われ、約110名の学生が出席しました。
講演では、同社の会社概要や近年の取り組み、バイヤーの業務内容について詳しく説明がなされました。冒頭では、「世界の誰もが豊かさを享受できる社会をつくる」という経営理念が示され、誰もが安価かつ安心して商品を購入できる仕組みづくりの一環として、IT企業として創業した同社の強みを生かし、小売業にもIT技術を駆使した新たな買い物体験の提供を目指していると語られました。具体例として、RetailAIを搭載したレジ機能付きカート「スキップカート」が紹介され、店舗内でのデータ取得や在庫管理、商品開発の効率化に加え、人件費の削減や売上向上への効果について説明がありました。加えて、全国への店舗網の拡大や、プライベートブランド商品の開発にも注力するなど成長戦略が語られました。
後半では、鮮魚事業部でのバイヤー実務について紹介され、グローバルな仕入れの現場では、サプライヤーとの信頼関係の構築や、売れる商品を見極める力、顧客ニーズを理解する力が求められると解説。また、地域の競合から学ぶ姿勢や、国ごとの強みを生かして商品を差別化する「グローバルバリューチェーン」の考え方も重要であると語られました。村上氏は、「食べ物は最終的には“人”で決まる」と述べ、バイヤー業務における人とのつながりの重要性についても強調されました。さらに、やりがいとして、自らが現地で交渉して仕入れた魚が食卓に並ぶことの喜びや、世界とつながって働けること、お客様からの感謝の言葉、そして数字として成果が目に見える点などが挙げられました。最後に村上氏は学生に向けて、「実績なくしてキャリアアップはありません。気づく力、動く力、考える力が武器となります」とメッセージを送りました。
講演後には質疑応答の時間が設けられ、参加者からさまざまな質問が寄せられました。
「市場調査の際に壁にぶつかったとき、どう対処していますか?」という質問に対しては、「違う方法を模索したり、専門分野の社員に話を聞いたりして、知見を得ます。また、本を読んで仮説を立て、実行に移すことも大切です」と回答されました。また、「海外ではどのように信頼関係を築いているのか」という質問に対しては、「熱意をもって相手と向き合うことで、関係を構築しています」と語られました。
トライアルグループのグローバル・ビジネス戦略への理解を深めるとともに、世界で活躍するバイヤー業務のやりがいについて知る貴重な機会となりました。