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2025.12.24
「パレスチナ人民連帯国際デー」関連イベントが開催されました
学部横断プログラム「解放学(EMANCIOLOGY)」の一環として、国連が定める「パレスチナ人民連帯国際デー(11月29日)」に合わせ、パレスチナ・ガザ地区およびヨルダン川西岸地区の現状を伝える映画上映会と講演会が開催されました。
11月22日(金)には、西南学院大学コミュニティセンター・ホールにて、ドキュメンタリー映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』の上映会および清末愛砂教授(室蘭工業大学大学院)による講演会が行われました。本作は、ヨルダン川西岸のマサファー・ヤッタで強制退去の危機に晒されるパレスチナ人活動家と、彼に連帯するイスラエル人ジャーナリストの姿を記録した作品で、第97回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー映画賞など獲得しています。
上映後、清末教授は「『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』をどう読むか」と題して講演を行いました。講演では、映画の舞台となったマサファー・ヤッタが軍事演習場として指定され、住民が強制的な立ち退きの脅威に晒されている背景や、現地で続く軍事占領と入植者による暴力の構造について解説がなされました。
翌週の11月29日(金)には、同ホールにて『手に魂を込め、歩いてみれば』の特別試写会が開催されました。本作は、ガザ出身の女性写真ジャーナリスト、ファトマ・ハッスーナ氏が、自身の家族や生活、そして破壊される故郷を記録した映像を基にしたドキュメンタリーです。
両日とも多くの学生・市民が参加し、パレスチナの現実に触れ、平和と人権について深く考える場となりました。参加者からは以下のような感想が寄せられました。
【参加者の声】
『ノー・アザー・ランド』について 「パレスチナの現状について、SNS等で流れてくる情報しか知らなかったため、映画や清末先生のお話を聞いて、現地の状況の深刻さを強く感じた。特に、イスラエル軍が家を破壊し、人々が住む場所を失っていく様子や、それに対して抵抗する人々の姿が印象に残った」 「映画の中で、イスラエル軍の兵士が『法律だ』と言って家を取り壊すシーンがあったが、その法律自体が差別的であり、パレスチナ人の権利を侵害していることに憤りを覚えた」
『手に魂を込め、歩いてみれば』について 「この映画を見て、生きることについてもう一度考えるきっかけになった。ファトマさんをはじめとするガザ地区の人々は常に命の危険に晒されながらも、希望をもって生きようとしていた。しかし、戦争は彼女たちから人間らしい平和な生活や夢を残酷な方法で奪ってしまう。苦しい状況下で最期まで夢をもち、世界にガザのことを伝えてくれたファトマさんの魂を今度は私たちが手に込め、歩んで行きたいと思った」
『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』上映会後の清末愛砂教授による解説
